12年生の卒業のときがやって来た。
式での卒業生ふたりを見ると、胸が、目頭が熱くなる。
小さかった手は、今、大きな夢を追い求める手になった。
無邪気な笑顔は、今、成熟した表情に変わっている。
時の流れはある意味、容赦なく、彼らを大人へと変えてしまう。
窓の外に目をやると、早春の風が優しく吹き抜けている。木々は新緑の支度をはじめ、花々は色とりどりの花びらを舞わせる。この自然の美しさは、若者の未来への希望を感じさせる。このふたりはこれから、自分の道を自分自身で歩み始めるのだ。
卒業という言葉は、人の心を揺さぶる。幼かった姿がまるで昨日のように思える子どもたちが、今は立派な大人になっていく。その成長を見守りながら、感慨深い気持ちで胸がいっぱいになる。彼らがこれから何を経験し、どんな人生を歩むのか心配でもあり、同時にそれ以上に期待もしている。
式のあとは、まるで祝祭のように賑やかだった。子どもたちが笑い合い、語らい、未来を讃えあった。これまでの学びや友情、そして家族の支えが、これからふたりを強くしていくことだろう。そばで見ているだけの私としては、いつまでもふたりの味方でありたいと願う。
卒業は、別れのときでもあるが、どちらかといえば、新たな始まりのときだと想う。子どもたちが羽ばたく準備が整った今、私たちは彼らを後押しし、応援する準備を整えなければならない。このふたりがどんな道を選ぶにせよ、私たちはその背中を見守り、夢に向かって進むことができることを、ただただ、願うばかりだ。
(6年生保護者)