盆踊りとオイリュトミーを掛け合わせた、どこにもない祭。それが盆リュトミー。
保護者による発案、企画、そして実行。一人ひとりの持つ能力が余すことなく発揮されました。
1週間ほど前からポスター掲示をして少しずつ気分を盛り上げ、前夜に会場準備。
ホール中央に、吊り下げ式のやぐらを組み、紐を渡らせてランタンをぶら下げました。
蛍光灯の数を減らして、優しい光を演出します。
麦で作った大きく美しいヒンメリが、特別な存在感を放ちます。
カーテンには、折り紙で作った星の数々。
「星めぐりのうた」に登場する星座が形作られているこだわりよう。
そうです。
盆リュトミーで踊るのは、宮沢賢治のつくった「星めぐりのうた」。オイリュトミーの先生に考えてもらった、オリジナルの振付けです。
さて、当日は昼過ぎから徐々に親子が集まり始め、まずは流しそうめんで涼を味わいます。
学園では、流しそうめんは毎年の恒例行事でしたが、コロナをきっかけに無くなっていました。私も入学以来の初体験。
大人も子どもも一生懸命に麺を追いかける姿が、微笑ましくてたまりません。
小さな子が麺を食べられるよう、子ども同士気遣う姿も。なんて素敵でしょう。
お腹が満足したところで、浴衣に着替え、やぐらの周りに集まって、先生から踊りを習います。
高等部生徒と保護者が各自の楽器を持ち寄って演奏します。ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、フルート、太鼓、ギター、三線…。
不思議な楽器編成ですが、炭坑節の雰囲気も驚くほどバッチリ。
皆で呼吸を合わせ、空気を作り上げていくその時間は、私にとって幸せの極みで、この空気をそのまま閉じ込めてしまいたいと思うほどでした。
調和することの心地よさ。
全力で遊びを楽しむ子どもたちに負けないくらい、大人たちも全力で楽しみました。
学園の先生と保護者、子どもたちみんなが輝き、強く結びついた盆の夜です。
(4年生保護者)